深山幽谷・禅堂にて
都心から遠く離れた山中、深山幽谷の奥深くにある禅堂。
今回、かなり久しぶりに2泊の坐禅会に参加してきた。今回はその際の印象など書いてみたいと思う。
都心から電車でとある最終駅までたどり着き、そこからバスで30分。真っ暗な山道を歩く事5分ほどで禅堂の玄関に着く。毎回の事だが、短いとはいえ全く外灯のない山道を歩くのは少々不気味。その突き当りに玄関の明かりが見えた瞬間、心にも明かりが灯る。
いつもの通り、大きな玄関前で合掌し、中に入る。一通りの手続きを済ませた後、自分が2泊する事になる部屋に寝具を借りて持ち込む。
部屋に落ち着くと、何年か前に初めて来た時の事を思いだし感無量に。あの時は緊張していたし、これから何が始まるのかもわからず・・・。しかし最近はこの2泊の坐禅会はあっと言う間に過ぎ去り、何か物足りない気がしている。それだけ私の禅も安定してきたという事か。
さて、朝は4:30に目覚め、坐禅の準備に取り掛かる。その時には既に心は坐禅をしており、体の方は5:30定刻から坐禅を始める。「チ~~ン…」、坐禅スタート。
普段から真向法で柔軟性を高めている足腰は自由自在に結跏趺坐できる。この結跏趺坐は、慣れるまでは大変だが、慣れてしまえばかなり安定感の高い座り方と言える。さあ、頑張って座ろう・・・。
坐中、暫くすると「ザ~~~~…」、禅堂のすぐ下の溪谷から川の音が聞こえてくる。実はこの時、聞こえてくると言えば正確ではない。その時には「ザ~~~」、これしかなくなっている。坐禅をしていたはずの体も心も既に無い。そして鳥の声、虫の声、等々・・・。こうして不思議な不思議な坐禅の世界が始まります。
…と言っても、特に他には何もありません。これだけです。これだけなんですが、本当にこれを体験できる人がどれほどいますか。この、あるのは「ザ~~~」のみという世界。これが本当に体験できれば、あなたの世界には変化が起こります。
是非、真向法と共に坐禅もお勧めします。この二つはあなたの世界を大きく変える事になるはずです。